高浜虚子の声

朗読  高濱虚子 
音楽  池内友次郎
昭和22年6月16日 
キングレコードスタジオにて録音

春(全14句(1,792kB ) 夏(全15句)(1,899kB)
春雨や茶屋の傘休みなく(59KB) 牡丹散る盃を銜みて悼まばや(57KB)
春水に落つるが如くほとりせり(57KB) 梅雨晴の波こまやかに門司ケ関(39KB)
美しき眉をひそめて朝寝かな(54KB) 夕闇の迷ひ来にけり吊忍(44KB)
春蘭を堀り提げもちぬ高嶺の日(47KB) 山川にひとり髪洗ふ神ぞ知る(48KB)
紅梅に薄紅梅の色重ね(41KB) 箱庭の反り身の漁翁君に如かず(52KB)
見るところ花は無けれどよき住居(38KB) 向日葵が好きで狂ひて死にし画家(45KB)
法外の朝寝もするやよくも降る(54KB) 何事も人に従ひ老涼し(46KB)
君とわれ惜春の情なしとせず(41KB) 滝の威に恐れて永くとどまらず (43KB)
雪よりも真白き春の猫二匹(59KB) 昨日今日客あり今日は牡丹剪る(44KB)
かゝはりも無くて互に梅椿(34KB) 何某の院のあととや花菖蒲(42KB)
山荘に客たり四方の花にあり(57KB) 時過ぎて尚梅落とす音すなり(52KB)
手を挙げて走る女や山桜(37KB) 四五歩して夏山の景変りけり(43KB)
蓼科に春の雲今動きおり(49KB) 夏草に延びてからまる牛の舌(50KB)
紅梅や旅人我になつかしく(45KB) 蝙蝠にかなしき母の子守歌(47KB)
家二三ある山蔭に滝ありと(42KB)

秋(全12句) (1,626kB)

冬(全15句) (1,876kB)

温かき茶を含みつゝ秋の雨(46kB) 噂過ぐ時雨のすぐる如くにも(47KB)
藤袴吾亦紅など名にめでて(41kB) 大根を水くしやくしやにして洗ふ(42KB)
簪の耳掻ほどの草の花(49kB) 心ひまあれば柊花こぼす(42KB)
菊車よろけ傾き立直り(37kB) 一切の行蔵寒にある思ひ(39KB)
萩を見る俳句生活五十年(47kB) 湖の寒さを知りぬ翁の忌(44KB)
悲しさはいつも酒気ある夜学の師(41kB) 冬空を見ず衆生を見大仏(60KB)
子規墓参それより月の俳句会(43kB) 落葉吹く風に箒をとゞめみる(43KB)
去来忌やその為人拝みけり(43kB) 干笊の動いてゐるは三十三才(43KB)
歌膝を組み直しけり虫の宿(40kB) 初時雨しかと心にとめにけり(45KB)
背中には銀河かゝりて窓に腰(43kB) 彼の道に黒きは雪の友ならん(42KB)
籬の豆赤さ走りぬいざ摘まん(47kB) 山道に雪かゝれある小家かな(47KB)
停車場に夜寒の子守旅の我(42kB) 大根を鷲づかみにし五六本(47KB)
舟人は時雨見上げてやり過し(43KB)
炬燵出ずもてなす心ありながら(37KB)
冬籠心を籠めて手紙書く(52KB)