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第20回 日本伝統俳句協会賞
該当者なし


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第20回 日本伝統俳句協会新人賞
「君と」 岸田祐子

春時雨濡れないやうに出す手紙

若草を踏んで光の方へ行く

その先の五月の空のその先の

地下鉄が息継ぎをする若葉風

君を待つ間にちよつとアイスコーヒー

向日葵の見下ろしてゐる校舎かな

ガラス越し立ち泳ぎする源五郎

夏痩せの肩鋭角に透きとほる

西日中キャッチボールの腕光る

少しだけ塩味のする青林檎

海風にもつれし君の髪洗ふ

寄り添ひて泳ぎ疲れて眠る夜

明方の雷鳴眉の上に聞く

楽しくて楽しい夏の旅終る

歩いても歩いても爽やかな風


紫の煙の続き秋の雲

足音を吸ひ取つてゆく虫時雨

制服のまま秋の海見てをりぬ

砂浜に一人の時間秋の暮

音消したテレビの明かり夜学かな

校庭の真ん中にある赤い月

やや寒き指先となる夜の海

すぐそばに小鳥来てゐる音がする

小春日やくすぐつたがる膝頭

ぷりぷりのお尻突き出す鴨三羽

暮早し駆け寄つてゆく待ち合せ

海岸の砂少しだけ冷たくて

クリスマスイブの月夜の誕生日

大寒や顔火照るほど大笑ひ

握る手に力をこめて春を待つ



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