2010年8月の披講

清記番号      俳句
 かつ二 選
136 風呂桶に手足をのばす終戦忌 よし造
699 きりきりと髪ゆいあげて祭りの子 清水 紫
522 郭公の鳴くや農事のひと区切り 由美
495 目覚めては眼鏡を探す三尺寝 帰山
406 打ち上げの音が音追ふ昼花火

 定灯子 選
802 児の箸を素麺抜けて流れゆく あぶと
558 ボストン展出で炎昼の街白し 辻本 紀川
355 屹立の山くっきりと夕焼くる 加来美智子
309 花火果て闇の湖上に櫂の音 豹紋蝶
226 船虫の勝手知りたる逃げ場かな 英世

baabaatsuko 選
424 這ひ登る形のままに蝉の殻 龍人
197 大風車極暑廻してをりにけり こむぎ
79 黙祷の耳襲いくる蝉時雨 よしほ
399 畦草を刈りて景なす棚田かな 香美
294 秋刀魚焼く伝へる程の恋もなし かおり

Kimu−Su-Ri 選
270 勘当の解けぬ身ながら墓洗ふ 秋山白兎
368 外に出て帰るとこなし熱帯夜 みさお
497 香水や耐ふ人生にひと雫 秋子
530 もう一度父と語らむ雲の峰 杜紫
36 蜩に今日の疲れを置きにけり いずみ

アス流転 選
27 母しのぶ浴衣に残る染みひとつ 秋子
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
452 ペンギンが食べに来そうな夏料理 彦阪義久
509 牛舎には風鈴ひとつ揺れてゐし 初女
567 風鈴や共に老いたる月日かな 道里

あぶと 選
187 窓側はすでに満席蓮見茶屋 持永 真理子
65 折鶴にあの日の日差し原爆忌 秋元 稜子
369 かなかなや山は紫深めたり 素風
477 次々に風は姿となる青田 松村ふみもと
395 子の帰省浴用石鹸新しく 晴一郎

あや女 選
778 立秋や何かが終はり始まりぬ 三本悦子
754 夕涼にほっと緩みし大樹かな かず
753 夏萩の如庵の風を捉へをり 佐藤日出満
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
79 黙祷の耳襲いくる蝉時雨 よしほ

いずみ 選
509 牛舎には風鈴ひとつ揺れてゐし 初女
270 勘当の解けぬ身ながら墓洗ふ 秋山白兎
256 流燈の別れ難きか岸に寄る 杜紫
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
49 泡ひとつ吐いて金魚のあくびかな 松村洗耳

おだまき 選
527 濁流を一気に対岸夏燕 千の風
825 夕立雲向かう山まで来てゐたに てつを
595 お帰りと母向けくれし扇風機 思案橋 紅鳴
404 ごきぶりと目と目合わせて息止める ふみえ
703 村の子の相手してゆく鬼やんま 志郎

こむぎ 選
234 阿呆となる覚悟を決めて踊の輪 誠山
765 己が影拾ひて去りしあきつかな 重田朝歩
141 輝きの一点となるヨットの帆 本村照香
137 かたつむり逃げよ列車がもう来るぞ 今村征一
67 村と村むすぶ吊橋雲の峰 本村照香

さとし 選
523 墓洗ふ墓標の文字が少し増え 滝 みのお
152 萬緑を引き裂く水の落つる音 喜柊
534 籐椅子の窪みは父の座り癖 理子
833 睡蓮や水面を揺らす風鎮め 照然
700 睡蓮の余白に覗く魚の影 なでしこ

さらら 選
745 湖を見てゐるだけのハンモック Kimu−Su-Ri
477 次々に風は姿となる青田 松村ふみもと
358 アルコールゼロてふビールどうなのよ 加藤 清美
169 満面の笑みが持ち来る夏野菜 由美
56 炎天を来て本尊は貸出し中 のり子。

じゅん 選
295 六階に一人今年も遠花火 素風
67 村と村むすぶ吊橋雲の峰 本村照香
754 夕涼にほっと緩みし大樹かな かず
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
861 みちのくの風連れて来し鉄風鈴 八草

つなしはじめ 選
141 輝きの一点となるヨットの帆 本村照香
464 ライオンの寝てゐる他はなき極暑 こむぎ
309 花火果て闇の湖上に櫂の音 豹紋蝶
658 雨待の沼の匂ひや菱の花 宏幸
83 噴水の突然といふ区切りあり 相沢富子

ていとく 選
592 下ぶくれして空豆の器量よし ふみえ
11 残業を終へたる窓の遠花火 Kimu−Su-Ri
437 大阿蘇の人立つ如く雲の峰 よりこ
179 南国の牛なき小屋の蝉しぐれ 義人
395 子の帰省浴用石鹸新しく 晴一郎

てつを 選
142 立秋や小さき目標たてました 三本悦子
406 打ち上げの音が音追ふ昼花火
448 看取りとは悲しき言葉古団扇 さら
558 ボストン展出で炎昼の街白し 辻本 紀川
853 ごきぶりを殺した妻と閨にゐる 秋山白兎

としもり 選
78 蚊の跡を数えますます痒み増す 相沢富子
270 勘当の解けぬ身ながら墓洗ふ 秋山白兎
434 病む母へ軽く軽くと麻布団 志郎
525 花火師の地下足袋駆ける闇匂ふ
822 秋たつや煎餅布団探る足 田村洋洋

としを 選
787 膨らんで膨らんで森蝉しぐれ 相沢富子
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
595 お帰りと母向けくれし扇風機 思案橋 紅鳴
169 満面の笑みが持ち来る夏野菜 由美
387 母の背をながせし如く墓洗ふ

とわ白菊 選
98 うらやまし朝よりクーラー入れる家 田んぼ
127 雨止みて忽ち森は蝉時雨 ゆう裕
208 かくれんぼ見つけて欲しい炎天下 秋子
270 勘当の解けぬ身ながら墓洗ふ 秋山白兎
11 残業を終へたる窓の遠花火 Kimu−Su-Ri

なでしこ 選
833 睡蓮や水面を揺らす風鎮め 照然
2 雨乞ひの舟に火灯す七つ浦 さら
378 睡蓮を咲かせるモネの筆使い 理子
499 ラムネ売る屋台に匂ふカーバイド さとし
636 蓮の葉に来世の席を予約せり としもり

ねもやん 選
667 隧道を抜けて命の草いきれ 加藤百合子
565 遮断機の音鳴り止まぬ残暑かな 陶生
424 這ひ登る形のままに蝉の殻 龍人
139 草も木も死んだ振りする炎天下 川嶋 いさを
344 孫が来て戦場となる夏座敷 山椒

のり子。 選
42 思考するホースの上の雨蛙 千の風
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
145 その構へ今夜咲くよと女王花 香美
464 ライオンの寝てゐる他はなき極暑 こむぎ
831 声細くなられし和尚汗手貫 桔梗

ひさゑ 選
641 錆びし鍬置きたるままや半夏生 てつを
787 膨らんで膨らんで森蝉しぐれ 相沢富子
43 箱あれば子らぎゆうと入り汗ばみて 福々
179 南国の牛なき小屋の蝉しぐれ 義人
339 滴りの生まれてばかりをりにけり 三だる

ピャオ 選
96 風音を立てて森より秋に入る 八之助
424 這ひ登る形のままに蝉の殻 龍人
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
671 朝顔に雲は流れてゆきにけり 松村ふみもと
772 夕茜薄れゆく空秋近し 佐藤日出満

ふみえ 選
503 平凡に生きて今年も梅漬ける 理子
548 もどらざる日々美しく走馬燈 丹後縮緬
295 六階に一人今年も遠花火 素風
83 噴水の突然といふ区切りあり 相沢富子
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎

ポラリス 選
23 立秋や風に色があるならば 三本悦子
378 睡蓮を咲かせるモネの筆使い 理子
503 平凡に生きて今年も梅漬ける 理子
556 八月は祷りの多き月なりき 初女
564 炎帝の威を解く気配さらに無く ステラ

ますみ 選
79 黙祷の耳襲いくる蝉時雨 よしほ
741 吾子の手や螢を包み星と言ふ めめ
11 残業を終へたる窓の遠花火 Kimu−Su-Ri
546 のうぜん花真っ逆さまに落ちてゆき 佳湖
433 遠会釈交わして月の客となる  吉太

みつ 選
54 水中花開く命を見てをりぬ かおり
136 風呂桶に手足をのばす終戦忌 よし造
241 縁先のバジルを摘んで夏料理 はら ひかる
539 開け放つ写経の庭や蝉時雨 キヨコ
787 膨らんで膨らんで森蝉しぐれ 相沢富子

めめ 選
715 秋立つや十頭身の影法師 三本悦子
146 懐かしき声の聞ゆる日傘かな 堤二青
199 父母も鴨居に飾り盆灯籠 キヨコ
240 泊船の白く静もる今朝の秋 ステラ
609 美人画の涼しく過去を振り返る 松村ふみもと

よしき 選
853 ごきぶりを殺した妻と閨にゐる 秋山白兎
725 黙祷の影もうつむく原爆忌 黒船
387 母の背をながせし如く墓洗ふ
45 きまじめな顔みてしまふ西日かな よし造
112 夏休み大きい靴の並びたる はら ひかる

よしほ 選
11 残業を終へたる窓の遠花火 Kimu−Su-Ri
55 うつせみや朝の箒にころびたり ますみ
222 鬼瓦夏満月の光浴び ますみ
583 車座の真中で切る西瓜かな 志郎
741 吾子の手や螢を包み星と言ふ めめ

よし造 選
725 黙祷の影もうつむく原爆忌 黒船
740 跡取りの嬰の笑顔や稲の花 古庄 たみ子
49 泡ひとつ吐いて金魚のあくびかな 松村洗耳
638 無限大を描いてくぐる茅の輪かな 森戸 しうじ
236 マネキンの親子揃いの夏帽子 相 道生

ロジー 選
156 パソコンの新たな機種に汗しとど 山紫陽花
228 育ち過ぎ自給自足の胡瓜もみ 佳湖
456 パラソルや舞妓素顔の切通し ひさゑ
774 花氷デパートの華なりし頃 川嶋 いさを
857 まだ生きる意気にほだされ鰻食ふ 宮川剛一

伊佐夫 選
57 風鈴の短冊ばかりよく廻る 道里
534 籐椅子の窪みは父の座り癖 理子
196 池の面を低空飛行鬼やんま 弥太郎
37 これほどの暑きを知るや仁王像 木下雨堂
477 次々に風は姿となる青田 松村ふみもと

稲畑廣太郎 選
374 今朝の秋風に乗り来る鳥の声 ペエペエ
488 今朝の秋覚めてしばらく風の中 ペエペエ
835 花火果て星座たがへず星戻る
538 知らずんば美奇さんに訊く草の花 弥太郎
524 庭先の葉擦れの軽き今朝の秋 豹紋蝶
492 砂時計返し返して秋思かな かおり
403 流星や耳に優しき島言葉 英世
5 草原の句碑に傾く銀河濃し あぶと
229 群青の台風の目の中に有り よしほ
212 蜩の遠ざかりゆく座禅かな 野田ゆたか
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
96 風音を立てて森より秋に入る 八之助
469 信号の赤に忙しき秋扇 誠山

隠岐灌木 選
114 シャンシャンとせぬかせぬかと朝の蝉 末廣 紀惠子
339 滴りの生まれてばかりをりにけり 三だる
387 母の背をながせし如く墓洗ふ
638 無限大を描いてくぐる茅の輪かな 森戸 しうじ
728 痛くないちちんぷいぷい鳳仙花 今村征一

英世 選
101 飛んでゆく方が頭や群蜻蛉 相沢富子
766 カレー山盛りの少年雲の峰 本村照香
485 一歩ずつ神に近づく富士詣 帰山
141 輝きの一点となるヨットの帆 本村照香
474 小倉には小倉の祈り原爆忌 いずみ

越澤 博 選
234 阿呆となる覚悟を決めて踊の輪 誠山
403 流星や耳に優しき島言葉 英世
634 父の日や父の蔵書に蟹工船 あしび
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
735 八月は焼きたてのパン二十歳 よしほ

佳湖 選
580 風通ふ湯宿に軋む籐寝椅子 さとし
67 村と村むすぶ吊橋雲の峰 本村照香
145 その構へ今夜咲くよと女王花 香美
197 大風車極暑廻してをりにけり こむぎ
377 燃え尽きて一日の命酔芙蓉 なでしこ

加藤百合子 選
139 草も木も死んだ振りする炎天下 川嶋 いさを
467 拍手を二つ打つ間に蚊に食はれ 久保達哉
599 川の字の乱れてをりぬ昼寝かな よし造
624 夜濯ぎや月に兎を眠らせて 清水 紫
745 湖を見てゐるだけのハンモック Kimu−Su-Ri

河童 選
583 車座の真中で切る西瓜かな 志郎
781 上から下から横から油照り 呆々隆
400 なむなむと孫の合わす手墓参り 碧蓮
293 夏草や二度とするまい戦争は 千一
816 風鈴や光も音も透き通る 崇城

蝦夷のばば 選
56 炎天を来て本尊は貸出し中 のり子。
248 太陽に氷乗せたき酷暑かな 楽歳
552 夕立や伝言版のうらみ言 水谷 伯
592 下ぶくれして空豆の器量よし ふみえ
765 己が影拾ひて去りしあきつかな 重田朝歩

快風 選
534 籐椅子の窪みは父の座り癖 理子
179 南国の牛なき小屋の蝉しぐれ 義人
136 風呂桶に手足をのばす終戦忌 よし造
703 村の子の相手してゆく鬼やんま 志郎
51 信じるは祈りでもあり木槿咲く 碧蓮

関 重承 選
55 うつせみや朝の箒にころびたり ますみ
127 雨止みて忽ち森は蝉時雨 ゆう裕
333 手にうけて空蝉の時透きとほる 宏幸
597 電話機の向こう側でも蝉時雨 ゆう裕
744 雨後の夕初蜩の一斉に 洋二

喜柊 選
853 ごきぶりを殺した妻と閨にゐる 秋山白兎
201 蝉時雨木蔭に停める郵便車 言成
344 孫が来て戦場となる夏座敷 山椒
382 浴衣の子ピンクの帯の蝶結び 呆々隆
765 己が影拾ひて去りしあきつかな 重田朝歩

吉太 選
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
618 ひとり居も意地はそれなり猫じゃらし かおり
362 海神の沖より現るる雲の峰 加来美智子
67 村と村むすぶ吊橋雲の峰 本村照香
358 アルコールゼロてふビールどうなのよ 加藤 清美

久保達哉 選
5 草原の句碑に傾く銀河濃し あぶと
327 たかが言葉されど言葉や原爆忌 蝦夷のばば
371 麻酔さめ頷くばかり百日紅 水谷 伯
448 看取りとは悲しき言葉古団扇 さら
565 遮断機の音鳴り止まぬ残暑かな 陶生

宮川剛一 選
517 炎昼や雲の動きの静かなる 杜紫
745 湖を見てゐるだけのハンモック Kimu−Su-Ri
112 夏休み大きい靴の並びたる はら ひかる
179 南国の牛なき小屋の蝉しぐれ 義人
207 我が顔を覗き見ている蟻地獄 河童

九輪草 選
76 水打って単行本を読み終える 政宗
275 涙ため九九は苦苦なり夏休み 河童
534 籐椅子の窪みは父の座り癖 理子
599 川の字の乱れてをりぬ昼寝かな よし造
609 美人画の涼しく過去を振り返る 松村ふみもと

愚極 選
418 湯上りの首にたっぷり天花粉 帰山
503 平凡に生きて今年も梅漬ける 理子
375 戦終え黙る少年蝉しぐれ 宮川剛一
131 病棟の窓の高さに遠花火  定灯子
667 隧道を抜けて命の草いきれ 加藤百合子

軍鶏児 選
67 村と村むすぶ吊橋雲の峰 本村照香
234 阿呆となる覚悟を決めて踊の輪 誠山
275 涙ため九九は苦苦なり夏休み 河童
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
703 村の子の相手してゆく鬼やんま 志郎

恵女 選
497 香水や耐ふ人生にひと雫 秋子
763 自我目覚め胸をそらして日焼の子 黒船
504 しじみ蝶風と睦みて青芒 じゅん
616 山寺の背戸は森なり仏法僧 姫田益恵
636 蓮の葉に来世の席を予約せり としもり

言成 選
73 句心に絵心ほしや秋来る 山紫陽花
154 蝉しぐれ話とどかぬ老夫婦 水谷 伯
362 海神の沖より現るる雲の峰 加来美智子
495 目覚めては眼鏡を探す三尺寝 帰山
597 電話機の向こう側でも蝉時雨 ゆう裕

宏幸 選
250 秋近し流人の里の堅豆腐 水谷 伯
745 湖を見てゐるだけのハンモック Kimu−Su-Ri
180 国境は鉄条網とひまわりと 青井 正行
2 雨乞ひの舟に火灯す七つ浦 さら
817 今朝秋のすつくと立ちし幼はも 前川おとじ

更紗 選
42 思考するホースの上の雨蛙 千の風
114 シャンシャンとせぬかせぬかと朝の蝉 末廣 紀惠子
254 肩落とすことで暑さに耐えてをり 稲葉 房子
326 遠雷や早世の父の子ら老いぬ 露空
624 夜濯ぎや月に兎を眠らせて 清水 紫

高柳宙 選
112 夏休み大きい靴の並びたる はら ひかる
476 ふる里に牛馬の匂ひ終戦日 川原知幸
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
45 きまじめな顔みてしまふ西日かな よし造
236 マネキンの親子揃いの夏帽子 相 道生

黒船 選
407 球場に汗の握手を交はしけり 青井 正行
509 牛舎には風鈴ひとつ揺れてゐし 初女
539 開け放つ写経の庭や蝉時雨 キヨコ
567 風鈴や共に老いたる月日かな 道里
727 母遺す手順にそうて盆支度 キヨコ

今村征一 選
447 湯上りのややにやさしき団扇風 黒船
787 膨らんで膨らんで森蝉しぐれ 相沢富子
611 巨大なる翼広げて夏来たり 辻本 紀川
4 今居ればとうに二十歳に桐一葉 野田ゆたか
637 風鈴の吊られしままの月日かな 南 博鳴

阪西敦子 選
311 またひとり後姿や秋の虹 かおり
495 目覚めては眼鏡を探す三尺寝 帰山
671 朝顔に雲は流れてゆきにけり 松村ふみもと
489 掃き清められし古刹の蝉の穴 由美
403 流星や耳に優しき島言葉 英世
201 蝉時雨木蔭に停める郵便車 言成
153 夏の月オペラハウスに来てをりぬ あや女
96 風音を立てて森より秋に入る 八之助
86 大西瓜抱えて渡る交差点 重田朝歩
55 うつせみや朝の箒にころびたり ますみ
20 涼風やちよこつと屈む少女像 桃太郎
262 今日もまた兄弟喧嘩朝曇 千の風
765 己が影拾ひて去りしあきつかな 重田朝歩

三だる 選
830 薄々とあたりを染めて走馬灯 桔梗
451 掌をこぼれてゆきし遠花火 アス流転
609 美人画の涼しく過去を振り返る 松村ふみもと
681 山百合の大きく咲きて雨の中 田んぼ
765 己が影拾ひて去りしあきつかな 重田朝歩

山居士 選
803 ふるさとは恋し憎しと韮の花 さらら
787 膨らんで膨らんで森蝉しぐれ 相沢富子
725 黙祷の影もうつむく原爆忌 黒船
242 山の端に隠れ入りても良夜かな 吉太
397 ケント紙に分割の線原爆忌 高柳宙

山紫陽花 選
39 ホルマリン匂ふ理科室夏休 久保達哉
565 遮断機の音鳴り止まぬ残暑かな 陶生
583 車座の真中で切る西瓜かな 志郎
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
768 缶を蹴り猛暑の空を蹴りにけり 矢持義峰

山哲 選
655 海月浮く老いの苦きを思いけり 義人
359 滴りの光まっすぐ落ちにけり 喜柊
437 大阿蘇の人立つ如く雲の峰 よりこ
276 立秋や便乗して買ふ派手な靴 道里
503 平凡に生きて今年も梅漬ける 理子

山椒 選
141 輝きの一点となるヨットの帆 本村照香
225 向日葵を塀にして野の一軒家 よりこ
522 郭公の鳴くや農事のひと区切り 由美
780 山開赤い四角が現在地 田んぼ
607 身延山降り門前の氷水 越澤 博

志郎 選
503 平凡に生きて今年も梅漬ける 理子
710 補虫網今年は孫の来ぬと云ふ 苦楽
248 太陽に氷乗せたき酷暑かな 楽歳
197 大風車極暑廻してをりにけり こむぎ
263 尺蠖や鎌倉仏をはかりをり 喜柊

思案橋 紅鳴 選
208 かくれんぼ見つけて欲しい炎天下 秋子
76 水打って単行本を読み終える 政宗
57 風鈴の短冊ばかりよく廻る 道里
42 思考するホースの上の雨蛙 千の風
2 雨乞ひの舟に火灯す七つ浦 さら

持永 真理子 選
106 人生にリプレーはなし後の月 重田朝歩
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
214 片影の風を集める献血車 理子
796 蝉しぐれアラーム制御装置鳴る よしき
56 炎天を来て本尊は貸出し中 のり子。

秋山白兎 選
514 大杉を神とし仰ぐ村祭 洋二
658 雨待の沼の匂ひや菱の花 宏幸
803 ふるさとは恋し憎しと韮の花 さらら
476 ふる里に牛馬の匂ひ終戦日 川原知幸
224 遺されて女ばかりや初盆会 桔梗

秋子 選
36 蜩に今日の疲れを置きにけり いずみ
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
463 退かざるは将たる美学かたつむり 辻本 紀川
464 ライオンの寝てゐる他はなき極暑 こむぎ
505 身ほとりは質素がすずし老いの日々 じゅん

重田朝歩 選
493 うつせみやいづこで幾度鳴いたやら ますみ
809 気まづさを日傘に入れるすれ違ひ 山哲
630 立秋の風なつかしき人のやう 葉流
110 ありし日の父の座に着き盂蘭盆会 野田ゆたか
773 辛抱を重ね過ぎたる黴の靴 愚極

初女 選
209 空に百川面に百の花火かな 清水 紫
218 帰省子の成長計る寡黙かな のり子。
442 宿題に母子鉢巻秋はじめ  かつ二
624 夜濯ぎや月に兎を眠らせて 清水 紫
725 黙祷の影もうつむく原爆忌 黒船

松浦 青秋 選
710 補虫網今年は孫の来ぬと云ふ 苦楽
199 父母も鴨居に飾り盆灯籠 キヨコ
335 鉢植の水やり終えて端居かな 撫子
48 唯祈る核無き世界原爆忌 伊佐夫
351 夕餉にはもう一品の冷奴 佳湖

松村ふみもと 選
339 滴りの生まれてばかりをりにけり 三だる
438 推敲の一句つぶやく夜の秋 田村洋洋
451 掌をこぼれてゆきし遠花火 アス流転
481 冷蔵庫いつぱい入れてしまふ癖 のり子。
557 帰省子と交す大人の話かな ていとく

松村洗耳 選
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
684 打ち水の残りを一気に足に掛け 幾夜
52 露草の縋る切ない眼のやうに 陶生
45 きまじめな顔みてしまふ西日かな よし造
698 海人の歯形くっきり箱眼鏡 哲翁

松風子 選
35 死守すべきもの持つ如く蝉の鳴く みーこまーち
68 老鶯の去りて淋しき里の山 林 麓人
263 尺蠖や鎌倉仏をはかりをり 喜柊
483 鬼灯の袋に淋し音すなる さらら
609 美人画の涼しく過去を振り返る 松村ふみもと

照然 選
700 睡蓮の余白に覗く魚の影 なでしこ
378 睡蓮を咲かせるモネの筆使い 理子
387 母の背をながせし如く墓洗ふ
561 竜馬像見上げ眩しき白日傘 さとし
282 京町屋風鈴売の添へる風 さとし

常村一則 選
3 籠枕首筋細き母なりし よし造
22 路地曲がる思はせ振りな藍浴衣 今村征一
208 かくれんぼ見つけて欲しい炎天下 秋子
548 もどらざる日々美しく走馬燈 丹後縮緬
595 お帰りと母向けくれし扇風機 思案橋 紅鳴

森 一草 選
366 心頭を滅却すれど炎暑かな 辻本 紀川
626 いつからの漂流夏の夜の渋谷 桃太郎
223 この駅を好きとばかりにあかとんぼ 前川おとじ
2 雨乞ひの舟に火灯す七つ浦 さら
797 手を抜きしことは不問に冷奴 稲葉 房子

榛女 選
51 信じるは祈りでもあり木槿咲く 碧蓮
319 しずしずと関東攻める鰯雲 草千里
457 傘アリマス売店に梅雨晴間 あしび
493 うつせみやいづこで幾度鳴いたやら ますみ
801 水打つて地に一善を置きにけり 隠岐灌木

水谷 伯 選
291 千羽鶴日陰を選りて吊るさるる 青井 正行
387 母の背をながせし如く墓洗ふ
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
96 風音を立てて森より秋に入る 八之助
637 風鈴の吊られしままの月日かな 南 博鳴

崇城 選
81 抜きん出て野をきらめかす女郎花 加来美智子
165 勝つほどに夏減らし行く甲子園 思案橋 紅鳴
565 遮断機の音鳴り止まぬ残暑かな 陶生
609 美人画の涼しく過去を振り返る 松村ふみもと
765 己が影拾ひて去りしあきつかな 重田朝歩

政宗 選
842 蛇口より無辜溢れくる原爆忌 よしほ
855 合歓の花闇と交わる雄しべかな 崇城
756 万緑や瀬音に波のありにけり としを
7 母恋えば茜に向いて古日傘 めめ
861 みちのくの風連れて来し鉄風鈴 八草

晴一郎 選
224 遺されて女ばかりや初盆会 桔梗
273 空蝉のすがりつきたる忠魂碑 哲翁
604 帰省の子祖父の浴衣に桐の下駄
750 これまでの人生過ぎてなお残暑 快風
853 ごきぶりを殺した妻と閨にゐる 秋山白兎

清水 紫 選
848 職退いて急がぬ暮し夏燕 藤岡初尾
502 星流れ魔法使いの杖の先 八之助
547 風通しよき座によばれ鱧料理 喜柊
153 夏の月オペラハウスに来てをりぬ あや女
844 一門の長と仰がれ夏袴 志郎

誠山 選
136 風呂桶に手足をのばす終戦忌 よし造
188 砂風呂の真上にせまる雲の峰 黒船
270 勘当の解けぬ身ながら墓洗ふ 秋山白兎
539 開け放つ写経の庭や蝉時雨 キヨコ
637 風鈴の吊られしままの月日かな 南 博鳴

青井 正行 選
559 掌の汗を拭き取る占師 河童
565 遮断機の音鳴り止まぬ残暑かな 陶生
532 草いきれ今日また人の逝かれたる 森 一草
49 泡ひとつ吐いて金魚のあくびかな 松村洗耳
843 秋近し町騒遠くしたる風 佐藤日出満

青弓 選
4 今居ればとうに二十歳に桐一葉 野田ゆたか
110 ありし日の父の座に着き盂蘭盆会 野田ゆたか
197 大風車極暑廻してをりにけり こむぎ
403 流星や耳に優しき島言葉 英世
522 郭公の鳴くや農事のひと区切り 由美

静風 選
270 勘当の解けぬ身ながら墓洗ふ 秋山白兎
456 パラソルや舞妓素顔の切通し ひさゑ
67 村と村むすぶ吊橋雲の峰 本村照香
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
861 みちのくの風連れて来し鉄風鈴 八草

千の風 選
208 かくれんぼ見つけて欲しい炎天下 秋子
557 帰省子と交す大人の話かな ていとく
652 夏の川さまざまな音響かせて 二郎
686 兄弟の喧嘩は休まぬ夏休み 呆々隆
832 何となく言いふくめられ心太 田村洋洋

川原知幸 選
273 空蝉のすがりつきたる忠魂碑 哲翁
344 孫が来て戦場となる夏座敷 山椒
110 ありし日の父の座に着き盂蘭盆会 野田ゆたか
6 棚経や跡継ぎの僧朗々と 山哲
565 遮断機の音鳴り止まぬ残暑かな 陶生

川嶋 いさを 選
94 初秋や新顔まじり遊歩道  かつ二
158 猛暑日の駅の時計は分刻み  定灯子
503 平凡に生きて今年も梅漬ける 理子
641 錆びし鍬置きたるままや半夏生 てつを
700 睡蓮の余白に覗く魚の影 なでしこ

前川おとじ 選
610 切岸の凌霄花の花吹き上がり 坂東太郎
717 炎天になすべきことの多かりき 誠山
503 平凡に生きて今年も梅漬ける 理子
797 手を抜きしことは不問に冷奴 稲葉 房子
433 遠会釈交わして月の客となる  吉太

相 道生 選
83 噴水の突然といふ区切りあり 相沢富子
397 ケント紙に分割の線原爆忌 高柳宙
540 心棒の抜けてまあるき昼寝人 秋子
711 荒梅雨や漫画本をポンと蹴り 西方来人
780 山開赤い四角が現在地 田んぼ

草千里 選
572 マネキンの一糸纏はぬ暑さかな 青井 正行
624 夜濯ぎや月に兎を眠らせて 清水 紫
403 流星や耳に優しき島言葉 英世
39 ホルマリン匂ふ理科室夏休 久保達哉
787 膨らんで膨らんで森蝉しぐれ 相沢富子

丹後縮緬 選
110 ありし日の父の座に着き盂蘭盆会 野田ゆたか
555 蓮見舟一歩乗り込み傾きぬ 矢持義峰
557 帰省子と交す大人の話かな ていとく
651 生涯の田畑流れ梅雨明る 末廣 紀惠子
830 薄々とあたりを染めて走馬灯 桔梗

智鶴 選
539 開け放つ写経の庭や蝉時雨 キヨコ
638 無限大を描いてくぐる茅の輪かな 森戸 しうじ
387 母の背をながせし如く墓洗ふ
195 流灯や気弱で真面目な父なりき 夕飛
737 恋ごころ八十路に少し落とし文 ポラリス

中井 慎吾 選
25 一雨のありて残暑を弱めゆく 葉流
27 母しのぶ浴衣に残る染みひとつ 秋子
178 風鈴や木の葉も猫も動きなし 川嶋 いさを
519 その裏に何を隠すか夏の雲 松井好延
524 庭先の葉擦れの軽き今朝の秋 豹紋蝶

田んぼ 選
421 蝉時雨一枚岩に水早し 越澤 博
509 牛舎には風鈴ひとつ揺れてゐし 初女
387 母の背をながせし如く墓洗ふ
209 空に百川面に百の花火かな 清水 紫
571 放水のサイレン渡る青田かな 更紗

田村洋洋 選
245 背筋伸せと子に叩かれて更衣 姫田益恵
433 遠会釈交わして月の客となる  吉太
505 身ほとりは質素がすずし老いの日々 じゅん
565 遮断機の音鳴り止まぬ残暑かな 陶生
739 炎天に骨抜きされて戻りけり ポラリス

田中靖子 選
434 病む母へ軽く軽くと麻布団 志郎
648 白日傘さし貴婦人の顔となる 撫子
142 立秋や小さき目標たてました 三本悦子
403 流星や耳に優しき島言葉 英世
415 潮風が好きで日焼を怖れをり ステラ

杜紫 選
179 南国の牛なき小屋の蝉しぐれ 義人
403 流星や耳に優しき島言葉 英世
434 病む母へ軽く軽くと麻布団 志郎
592 下ぶくれして空豆の器量よし ふみえ
699 きりきりと髪ゆいあげて祭りの子 清水 紫

桃太郎 選
832 何となく言いふくめられ心太 田村洋洋
86 大西瓜抱えて渡る交差点 重田朝歩
136 風呂桶に手足をのばす終戦忌 よし造
224 遺されて女ばかりや初盆会 桔梗
583 車座の真中で切る西瓜かな 志郎

藤岡初尾 選
861 みちのくの風連れて来し鉄風鈴 八草
844 一門の長と仰がれ夏袴 志郎
572 マネキンの一糸纏はぬ暑さかな 青井 正行
258 龍宮に着いたばかりで昼寝覚め 山椒
270 勘当の解けぬ身ながら墓洗ふ 秋山白兎

陶生 選
248 太陽に氷乗せたき酷暑かな 楽歳
263 尺蠖や鎌倉仏をはかりをり 喜柊
509 牛舎には風鈴ひとつ揺れてゐし 初女
624 夜濯ぎや月に兎を眠らせて 清水 紫
721 夏帯を固めに締めて打つ一手 堤二青

道里 選
671 朝顔に雲は流れてゆきにけり 松村ふみもと
802 児の箸を素麺抜けて流れゆく あぶと
55 うつせみや朝の箒にころびたり ますみ
630 立秋の風なつかしき人のやう 葉流
629 滴りの老いの気息に似たるかな 丹後縮緬

南 博鳴 選
146 懐かしき声の聞ゆる日傘かな 堤二青
177 野の風を掬ひては行く補虫網 八草
592 下ぶくれして空豆の器量よし ふみえ
737 恋ごころ八十路に少し落とし文 ポラリス
786 風に透くモネの日傘の燿へり 草千里

虹の童子 選
433 遠会釈交わして月の客となる  吉太
861 みちのくの風連れて来し鉄風鈴 八草
698 海人の歯形くっきり箱眼鏡 哲翁
188 砂風呂の真上にせまる雲の峰 黒船
741 吾子の手や螢を包み星と言ふ めめ

日置正樹 選
433 遠会釈交わして月の客となる  吉太
689 足先の影みな丸し水馬 道里
545 わだかまり失せて二人の銀河濃し 野田ゆたか
57 風鈴の短冊ばかりよく廻る 道里
522 郭公の鳴くや農事のひと区切り 由美
513 日焼して逞しく打てホームラン 軍鶏児
221 天空のほどんど余白揚花火 蝦夷のばば
141 輝きの一点となるヨットの帆 本村照香
124 忘れ潮ひとつひとつに雲の峰 本村照香
58 借景に風鈴ひとつ添へるのみ 本村照香
56 炎天を来て本尊は貸出し中 のり子。
225 向日葵を塀にして野の一軒家 よりこ
67 村と村むすぶ吊橋雲の峰 本村照香

八草 選
380 蝉時雨榎大樹と千鳥塚 越澤 博
689 足先の影みな丸し水馬 道里
234 阿呆となる覚悟を決めて踊の輪 誠山
212 蜩の遠ざかりゆく座禅かな 野田ゆたか
765 己が影拾ひて去りしあきつかな 重田朝歩

八之助 選
3 籠枕首筋細き母なりし よし造
15 車窓いま遠流の浜や葉月潮 弥太郎
122 読経終え盆僧友の顔となる 川原知幸
224 遺されて女ばかりや初盆会 桔梗
250 秋近し流人の里の堅豆腐 水谷 伯

彦阪義久 選
119 出たがらぬ影連れてゐる夏木陰 木下雨堂
698 海人の歯形くっきり箱眼鏡 哲翁
534 籐椅子の窪みは父の座り癖 理子
271 八月の悲しい涙二度三度 清水 紫
377 燃え尽きて一日の命酔芙蓉 なでしこ

姫田益恵 選
124 忘れ潮ひとつひとつに雲の峰 本村照香
370 向日葵の迷路を走る縄電車 黒船
515 まつすぐな旱の道が長すぎる 河童
520 水琴窟覗きて涼を確かむる 加藤百合子
698 海人の歯形くっきり箱眼鏡 哲翁

豹紋蝶 選
287 一本の大樹城址の蝉時雨 桃太郎
361 流燈の川面を染めて闇深し 山紫陽花
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
753 夏萩の如庵の風を捉へをり 佐藤日出満
775 流れゆく雲のちぎれて秋近し 佐藤日出満

撫子 選
598 遠花火音なき闇の深さあり 山紫陽花
599 川の字の乱れてをりぬ昼寝かな よし造
67 村と村むすぶ吊橋雲の峰 本村照香
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
424 這ひ登る形のままに蝉の殻 龍人

風子 選
42 思考するホースの上の雨蛙 千の風
110 ありし日の父の座に着き盂蘭盆会 野田ゆたか
387 母の背をながせし如く墓洗ふ
634 父の日や父の蔵書に蟹工船 あしび
848 職退いて急がぬ暮し夏燕 藤岡初尾

福々 選
624 夜濯ぎや月に兎を眠らせて 清水 紫
815 今生きて寿司食らひをり原爆忌 さらら
567 風鈴や共に老いたる月日かな 道里
398 大瑠璃のこの町にきて留まりぬ 姫田益恵
844 一門の長と仰がれ夏袴 志郎

遍路庵 選
541 夏草をばっさばっさと草刈機 由美
778 立秋や何かが終はり始まりぬ 三本悦子
813 恙なく生きて今年も心太 崇城
851 地平線つくる向日葵五万本 相 道生
861 みちのくの風連れて来し鉄風鈴 八草

呆々隆 選
254 肩落とすことで暑さに耐えてをり 稲葉 房子
267 ゴトゴトと鉄橋渡り秋立ちぬ 葉流
218 帰省子の成長計る寡黙かな のり子。
96 風音を立てて森より秋に入る 八之助
411 炎天を急き来る人にある都合 重田朝歩

末廣 紀惠子 選
75 纏はりし肌の不愉快蜘蛛の糸 木下雨堂
215 万緑や今日一日を生きること 青弓
254 肩落とすことで暑さに耐えてをり 稲葉 房子
306 定年の日々日曜日日焼濃し つなしはじめ
344 孫が来て戦場となる夏座敷 山椒

野田ゆたか 選
316 抽斗に形見の時計盂蘭盆会 ていとく
460 山住みに大東京の暑さかな 初女
287 一本の大樹城址の蝉時雨 桃太郎
6 棚経や跡継ぎの僧朗々と 山哲
571 放水のサイレン渡る青田かな 更紗

弥太郎 選
188 砂風呂の真上にせまる雲の峰 黒船
658 雨待の沼の匂ひや菱の花 宏幸
745 湖を見てゐるだけのハンモック Kimu−Su-Ri
768 缶を蹴り猛暑の空を蹴りにけり 矢持義峰
858 向日葵や小学生の背伸びして 田んぼ

矢持義峰 選
263 尺蠖や鎌倉仏をはかりをり 喜柊
740 跡取りの嬰の笑顔や稲の花 古庄 たみ子
208 かくれんぼ見つけて欲しい炎天下 秋子
270 勘当の解けぬ身ながら墓洗ふ 秋山白兎
424 這ひ登る形のままに蝉の殻 龍人

有季野菜 選
112 夏休み大きい靴の並びたる はら ひかる
332 蜩や貝の化石を記すノート 松村ふみもと
585 肘鉄砲食らい水飯食らいをり 八之助
830 薄々とあたりを染めて走馬灯 桔梗
831 声細くなられし和尚汗手貫 桔梗

由美 選
552 夕立や伝言版のうらみ言 水谷 伯
684 打ち水の残りを一気に足に掛け 幾夜
484 窓際に風を感じて夜の秋 ピャオ
248 太陽に氷乗せたき酷暑かな 楽歳
802 児の箸を素麺抜けて流れゆく あぶと

洋二 選
36 蜩に今日の疲れを置きにけり いずみ
226 船虫の勝手知りたる逃げ場かな 英世
418 湯上りの首にたっぷり天花粉 帰山
597 電話機の向こう側でも蝉時雨 ゆう裕
778 立秋や何かが終はり始まりぬ 三本悦子

葉流 選
209 空に百川面に百の花火かな 清水 紫
725 黙祷の影もうつむく原爆忌 黒船
208 かくれんぼ見つけて欲しい炎天下 秋子
273 空蝉のすがりつきたる忠魂碑 哲翁
583 車座の真中で切る西瓜かな 志郎

理子 選
499 ラムネ売る屋台に匂ふカーバイド さとし
598 遠花火音なき闇の深さあり 山紫陽花
669 千枚の田を一枚に青田風 志郎
700 睡蓮の余白に覗く魚の影 なでしこ
833 睡蓮や水面を揺らす風鎮め 照然

隆昭 選
214 片影の風を集める献血車 理子
765 己が影拾ひて去りしあきつかな 重田朝歩
223 この駅を好きとばかりにあかとんぼ 前川おとじ
90 花火の粉撚りてひとつの星になり みーこまーち
279 ひぐらしや空(から)のゴンドラのぼり行く 藤岡初尾

林 麓人 選
35 死守すべきもの持つ如く蝉の鳴く みーこまーち
534 籐椅子の窪みは父の座り癖 理子
565 遮断機の音鳴り止まぬ残暑かな 陶生
592 下ぶくれして空豆の器量よし ふみえ
609 美人画の涼しく過去を振り返る 松村ふみもと