身近な俳句用語集 (50音順)

運座

数人が集まり席題によって句を詠み選をする方法。

花鳥諷詠

高濱虚子による造語。伝統俳句派の基本理念。花鳥風月をを諷詠することで、 自然界の現象、それに伴う人事界の現象をありのまま諷詠することにある。 俳諧師以来の俳句的神髄を取り出したとも。

客観写生

虚子の用いた俳句作句における方法論。俳句はその作において主観描写を 廃し客観の裏側に余韻として述べ、客観と主観の渾然とする境地まで達す るという思想。

季題

季節に関する題目。単なる四季の詞としての季語に対し「古今集」以来発 句に至り当季の題目として必須条件となり、現在も歳時記を中心としてと りまとめてある。俳諧においては季題を詠むという俳句作りが伝統的となっ ている。

季重なり

季題が一句の中に二つ以上在ること。通常は良いこととされない。

切れ字

発句が独立性を持つために句末や句中に用いた切れの働きのある助詞・ 助動詞のこと。切れ字事一八字とも呼ばれ、かな、けり、もがな、らん、 し、ぞ、か、よ、せ、や、つ、れ、ぬ、ず、に、へ、け、じ。など。
特にや、かな、けりが有名。強調と省略にその意義がある。

吟行

俳句を作るために実景を見に、季題と出会うため外へ出て行くこと。

句またがり

読みが五七五音でなく、他の文節にまたがっている、七五五のような句。

兼題

あらかじめ題を出しておいて作句した作品を会に提出すること。 またその作品も言う。

滑稽

諧謔、利口とも。俳諧ではふざけ以上の思想として蕉風の「有情滑稽」 として解釈される

五七五

俳句定型の音数・文字数。合計一七音。俳句の五七五のうち上から 上五(かみご)中七(なかしち)下五(しもご)と呼ぶ。

歳時記

季題・季語を月別・四季別に分類して解説・例句を加えたもの。 古くは中国の行事・生活暦から近代の虚子の「新歳時記」まで多数。

雑詠

題詠でない俳句の作り方。当季雑詠は俳句を作るその季節の季題を入れて 自由に作ること。また、俳句雑誌の投句欄を雑詠とも呼ぶ。

さび

「しほり」とともに代表されるむ芭蕉の蕉風的美的理念。 俳諧的には室町期における精神的閑寂味を指すと言われる。

字余り

五七五などの定型音律からはみ出している句を言う。 近代においては定型にこだわらない字余りも見られる。

嘱目

作句において実景で目に触れた風物を写実的に作ること。

席題

会の席上、その場で題を出して作句させること。 その作品も言う。

川柳

季題・切れ字を使わない一七音の定型詩。 世相・人事・人情を軽妙に詠むところに特徴がある。 「穿ち」「おかしみ」「かるみ」がその三要素。

題詠

句会などで設定された題にそって句作提出すること。 詩歌の伝統にそっていにしえより四季、恋、雑などの 題がきめられている。

定型

短歌・俳句などの一定の形式を言う。 五音と七音を基本とする音律数により決定される。 自由な現代詩に対して俳句などは定型が特色。五七五文字 計一七文字が俳句の定型。

投句

所定の用紙に一定の俳句を書いて俳句会・メディアに提出すること。

二句一章

一句の中に切れがあって、二つの内容が衝撃をしながら 対応しているような句。一般に直接関係ない事柄を配することが多い。 一句一章は句中にそういう切れがなく一つの事柄を表している句。

俳諧

短詞形文学のひとつ。発句、連句などを含むが連句をその中核に置く。
古くは「古今集」に登場しその俗性に端を発す。俳諧連歌として 一五世紀あたりより独立し俳諧師により発展し芭蕉をして蕉風の中に わびさび雅と俗の間に展開され、その発句が独立し俳句へと発展してゆく。

披講

俳句会席上・メディアで選句された俳句を読み上げ発表すること。

発句

連歌・連句の第一句目。五七五の長句のかたちをとる。 季題・切れ字を備えた挨拶句。正岡子規により俳句として独立する。

連衆

運座などの会に参加する人々のこと。

わび

俳諧的には外観的あるいは感覚的な装飾美を否定し、 精神的余情美を追求しようとする芭蕉のすべてを貫いた根本的理念。