8月の俳句
蜘蛛の囲も庭の一部となりきりて  車前草



 今日出かけたのは毎年2月の大綱引きで有名な秋田県の刈和野。少し田舎と思われる向きもあろうが、刈和野には昔家老だった家の建物も庭も残っていて、その庭では、四季折々の珍しい花々に出会える。建物の方はちょっとした店になっていて開け放してあり、庭の方は店の定休日以外は一声かけるといつでも拝見出来る。庭は樹齢を重ねた木々が多く鬱蒼としているのだが、さりげなく、しかしこまめに手入れされているので、時折蜘蛛の巣にかかったり、蜥蜴が出ることさえ気にしなければ、個人の庭としては生半可な広さではないので、自然の森を巡る心地を楽しめる。もちろん虫刺され対策は怠れないが、刺されたらそれなりの句が出来る??

 この日玄関にあったのは睡蓮の鉢。早春には水芭蕉を咲かせている辺りだ。ここのご主人は農学博士だそうで、信じられないほど植物の種類が多い。続いた雨のせいか、緑が一際美しい。数種類の蝶や蜻蛉が自由に飛び回り、何やら鳥の声も。石楠花の季節にはその種類の多さに圧倒されるのだが、この時期木々の花はあまり咲いていない。それでも夏椿が咲き、咲き遅れたらしい躑躅などが僅かに残っていた。山椒薔薇はまだのようだ。根元には木漏れ日を受けて都忘れの群落、山菜のウワバミソウ等。あとは花が咲いていないので、名前はさっぱりわからない。(咲いていても種類が多すぎてわからないが。)以前、蝮草、エンレイソウ(白花)、イカリソウ、白根葵、ミヤマオダマキ(白)などは見た記憶がある。食べて美味しいミズブキは少し刈らせてもらったことも。
 庭を一巡り終える頃目に付いたのは、白の露草。ご主人のこだわりなのか、白花のものが多いのだが、その珍しさゆえに盗難に遭うことが増えたそうで、奥さんが萎れていたのは心配なことだ。
 ここは季題の宝庫、JR刈和野駅からすぐの工芸ギャラリー。

(車前草)



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